『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場するロバート・E・O・スピードワゴン。彼は主人公ではないものの、ファンから絶大な人気を誇るキャラクターです。
今回はスピードワゴンのジョジョでの魅力と、彼が創設したSPW財団について詳しく見ていきましょう。
スピードワゴンはジョジョでどんな人物?
スピードワゴンは1863年10月16日、ロンドンの貧民街で生まれました。
チンピラから紳士への大変身
物語の序盤では、食屍鬼街(オウガーストリート)でチンピラたちを率いるボスとして登場します。最初はジョナサン・ジョースターに襲いかかりますが、ジョナサンの紳士的な人柄と覚悟に心を打たれて改心。その後は生涯にわたって、ジョースター家を支え続ける存在となりました。
粗暴ながらも根は気さくで面倒見が良い性格。旅の経験から培われた高い精神力と洞察力を持ち、仲間思いな一面も随所で見られます。ツェペリの凍傷治療に身を挺したり、彼の死後にシルクハットを引き継いだりする姿は、多くのファンの心に残っています。
独特の感覚を持つ男
スピードワゴンには「ニオイ」で善人と悪人を見分けられるという能力です。この鋭い洞察力で、ディオの本性を見抜こうとした場面は印象的でしたね。波紋法は使えませんでしたが、大金槌を武器に仲間を支え、高い精神力でジョナサンたちの戦いに貢献しました。
ちなみに、彼の名前の由来は20世紀前半にアメリカで存在した自動車メーカー「REOスピードワゴン」と同名のバンドから来ています。さらに、お笑いコンビ「スピードワゴン」のコンビ名にも影響を与えたというのは、ジョジョファンなら知っておきたい豆知識ですね。
貧乏人から石油王への大逆転劇
ジョナサンとの別れを経験したスピードワゴンは、その後アメリカへと渡ります。
砂漠で起こった奇跡
一文無しの状態でアメリカに渡ったスピードワゴン。砂漠で死にそうになりながらも油田を発見してしまいます。この幸運により、彼は世界有数の大富豪へと成り上がりました。若い頃の粗暴さは消え、非の打ち所のない老紳士へと成長したのです。
第2部ではジョセフ・ジョースターの祖父的存在として、その成長を温かく見守る姿が描かれています。かつてのチンピラ時代からは想像もできないほどの変貌ぶりといえるでしょう。
財産をすべて世界のために
莫大な富を手に入れたスピードワゴンですが、お金を自分のために使うことはありませんでした。全世界の医療や自然動植物保護のために、個人資産のすべてを使うことを決意します。この決断から生まれたのが、あの有名なSPW財団です。
SPW財団とは一体何をする組織?
ここからは、スピードワゴンが創設した財団について詳しく見ていきます。
世界規模の影響力を持つ巨大組織
SPW財団の本部はアメリカのテキサス州ダラスにあります。世界中に支部を持ち、日本の東京都目黒区にも支部が存在するほど。経済において世界規模の影響力を有する巨大な組織として描かれています。
基本的には医療分野を主軸とする企業ですが、その中に「超自然現象」を扱う特別な部門が存在します。石仮面の研究やスタンド使いについての調査など、一般的な医療機関では考えられない研究を行っているのです。一部のファンからは「SCP財団染みてきた」と評されるほど、謎めいた活動も行っています。
スピードワゴンの遺言を守り続ける
1952年に89歳で亡くなったスピードワゴン。生涯独身でしたが、「過酷な運命を背負う彼等の手助けをしてほしい」という遺言を残しました。財団はこの遺言を忠実に守り、第2部から第6部まで、ジョースター一族とその関係者を全面的にバックアップし続けています。
創設者の死後も変わらず活動を続けるこの姿勢こそが、SPW財団の真髄といえるでしょう。
各部での財団の活躍ぶり
SPW財団は作中で本当に頼りになる存在として描かれています。
第2部「戦闘潮流」での初登場
財団が初めて登場するのがこの部です。メキシコで石仮面と謎の生命体(後のサンタナ)を発見したことが、大きな事件の発端となりました。その後は紫外線照射装置を開発するなど、ジョセフの戦いを科学技術でサポートしています。
究極生命体カーズとの最終決戦では、「スピードワゴン財団特別科学戦闘隊」まで設立して駆けつけました。この献身的な姿勢が、後の部でも受け継がれていきます。
第3部「スターダストクルセイダース」の献身的な支援
承太郎たちのエジプトへの旅を全面的にサポート。衣服や食料の提供はもちろん、犬のイギーを連れてきたのも財団です。日本ではDIOの影響で倒れたホリィの看病に尽力し、承太郎がDIOを倒した後は亡骸の回収や仲間たちの保護も担当しました。本当に最初から最後まで、ジョースター一行を支え続けたのです。
花京院典明の目の治療やイギーの応急処置なども行っており、医療分野での高い技術力も見せつけています。
第4部以降も変わらぬサポート
第4部では音石明から弓と矢を回収したり、杜王町での事件解決に協力。ジョセフの移送も担当し、承太郎に様々な情報を提供しました。第5部では広瀬康一のイタリア訪問費用を全額負担するという太っ腹ぶりを見せています。
第6部では仮死状態になった承太郎の治療を行い、伝書鳩でスタンドディスクを輸送。どんな状況でもジョースター家を見捨てない姿勢が印象的です。スピンオフ小説では、ジョルノ・ジョバァーナと協力関係を締結するまでに至っています。
パラレルワールドでの財団
第7部からは世界観が変わりますが、財団の名前は登場します。
「スピードワゴン石油会社」という企業がスポンサーとして名を挙げていたり、第8部ではルーシー・スティールが財団の一員として登場したり。元の世界とは異なる形ですが、スピードワゴンの名前は受け継がれています。第8部ではスージーQが財団の職員だったというエピソードも語られており、パラレルワールドでも影響力を持っていることが示唆されています。
最後に
なぜスピードワゴンはジョジョで人気なのか、その秘密は人間性にあります。
最初はチンピラでしたが、ジョナサンとの出会いで人生が大きく変わりました。成功しても決して傲慢にならず、得た財産をすべて世界のために使う。この姿勢に多くのファンが心を打たれています。
また、実況的な解説セリフも魅力の一つ。バトルシーンでの名実況は、読者に状況を分かりやすく伝える役割を果たしており、アニメでも大活躍しています。第1部と第2部での彼の実況は、まさに大必見です。
