テセウスの船

木村みきおがグロい絵を送り続けた理由

テセウスの船の木村みきおがグロい絵を送り続けた理由

テセウスの船の木村みきおは、グロい絵を田村心の家に送り続けていました。

木村みきおは田村心が会いに来てくれるのを待ち続けていたのです。木村みきおが、グロい絵を送り続けた理由は、テセウスの船のテーマに深く通じるものでした。

ここからは、テセウスの船の木村みきおに関する、重要なネタバレを含んでいます。まだ原作を見ていない方はご注意ください。

テセウスの船の木村みきお

テセウスの船の原作で木村みきおは、音臼小で、田村心が受け持ったクラスの生徒でした。

当時は、“加藤”という苗字でしたが、事件後に木村さつきが養子にしたことで、“木村”という苗字にかわっています。

木村みきおは、音臼小の事件で、毒物を口にしたことで下半身付随の後遺症が残り、車椅子に乗る生活を続けています。

木村みきおの婚約者の村田藍

木村みきおには、村田藍という内縁の妻がいます。

木村みきおは、村田藍と介護施設で出会っていて、彼女のお腹の中には二人の赤ちゃんがいます。

でも、実は木村みきおが村田藍に出会ったのは偶然ではなく、そこに行けば彼女に会えるとわかっていました。

なぜなら、木村みきおは、音臼小の事件の後、ずっと佐野鈴の行方を追っていたからです。

木村みきおがグロい絵を送り続けた理由

テセウスの船の原作で、木村みきおは、自分で書いたグロい絵を田村心の家にずっと送り続けていました。

そこには「自分に会いに来い」という、木村みきおから田村心へのメッセージが込めらていたと明かされています。

では、木村みきおが、田村心と会いたがっていた理由はなんだったのでしょうか?

木村みきおは過去を変えたかった

木村みきおは、佐野鈴に好意を持っていて、彼女を手に入れるためなら、どんな手段でも使いました。そして、ようやく佐野鈴を手に入れたとき、それが以前とは別のものに変わっていることに気づきます。

だから、今度は佐野鈴が変わってしまわないように、過去を変えたいと考えたのです。

木村みきおは、田村心が過去にタイムスリップしたことを知っていました。田村心が、音臼岳で投げ捨てた身分証とノートを偶然拾っていたからです。

そして、木村みきおは、田村心から過去にタイムスリップする方法を聞き出すために、グロい絵を送り続けたのです。

木村みきお(加藤信也)の足取り

音臼小の慰霊祭がある日、慰霊碑の前で対峙した木村みきおと田村心は、2017年から1989年にタイムスリップします。

1989年には、幼い頃の木村みきお(加藤みきお)がいました。そこで、加藤みきおと行動するときは、加藤信也という偽名を使い、親戚の叔父だと偽ったのです。

木村みきお(加藤信也)は、1989年6月に、タイムスリップしてから、どのような足取りをとったのでしょうか?

加藤みきおを町の児童養護施設まで迎えに行く

1989年の6月。音臼小の事件が起こる直前になって、加藤みきおの祖母が病気により入院することになります。他に身寄りがない加藤みきおは、町の児童養護施設に預けられることになりました。

この時、加藤信也は加藤みきおの親戚と偽って、加藤みきおを施設から連れ出しています。

田村心と佐野文吾は、児童養護施設の人から、二人が札幌の病院に向かったと聞いて、札幌にある加藤みきおの祖母が入院している病院に電話をしますが、そこには加藤みきおも、加藤信也もいませんでした。

佐野鈴が家の近くの暗闇の中で見たのは?

田村心と、佐野文吾が、町の付近で加藤信也と加藤みきおの行方を探していた頃、佐野家に少しずつ危険が迫っていました。

夕食の準備中だった佐野和子に、「お隣からお酢借りてきて。」とお使いをお願いされた佐野鈴は、「お酢ー、押すー、雄ー、雌ー」などと、陽気に隣の家に向かうのですが、その途中で、暗闇から「クスクス・・」と不気味な笑い声が聞こえます。

佐野鈴は、「誰かいるの・・?」と、暗闇に向かって話しかけますが、返事はありません。そして、暗闇に、一瞬人影のようなものが浮かび上がります。

正直、私は、このシーンで、暗闇に浮かび上がる謎の男の顔が恐怖でしかありません・・。

テセウスの船の作者の絵がうまいことは、少し読むだけですぐにわかるのですが、このシーンの画力と迫力は異常なほどです・・。

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田中義男を襲い、家を燃やす

佐野家が、田村心の歓迎を兼ねた夕食を食べていた頃、田中義男の家で新たな事件が起きようとしていました。

田中義男に「薬を飲ませにきたよ。」と言いながら近づく少年。

田中義男が「薬はもう飲んだ」と伝えると、今度は「何か飲む?」と言って、コーヒーを入れています。

少年は、田中義男に、どうにかして飲み物を飲ませたかったように感じます。

コーヒーが熱すぎたせいか、田中義男が、なかなかコーヒーを飲もうとしません。

すると、少年の背後にいた木村みきおが強硬策に出ます。

この時の木村みきおと田中義男の会話から、コーヒーには毒物が入っていたと見て、まず間違いなさそうです。

木村みきおはなぜ木村さつきを狙ったのか?

木村みきおは、木村さつきを音臼岳の山小屋で絞殺しています。

しかし、なぜ木村みきおは木村さつきを狙ったのでしょうか?

(表現がややこしいですが)前回の過去では、音臼小の事件のあと、木村さつきは加藤みきおを養子にしています。その時の加藤みきおは、心から嬉しそうにしているように見えました。

「義母さんはよけいにがんばりすぎた・・」と話していることから、その理由は、この時、木村みきおの目の前にいる木村さつきではなく、2017年の現代で、木村みきおが、ずっと一緒に過ごしていた木村さつきにありました。

2017年、木村さつきは、佐野鈴が殺人事件の容疑者に疑われるような出来事を起こしています。

木村みきおは、佐野鈴を不幸にする可能性のある存在すべてを消すつもりのようです。

木村みきおという存在

テセウスの船の原作の中で、木村みきおだけが、「テセウスの船みたいに」というセリフを使っています。

ということは、木村みきおの存在と、テセウスの船のテーマは深い繋がりがあるはずです。

変わらないものは存在しない

木村みきおは、「ずっと欲しかったものを手に入れた時、それが思っていたものと違うものだった」とも話しています。

木村みきおが、ずっと欲しかったものとは、もちろん佐野鈴のことです。

その佐野鈴は、音臼小の事件をきっかけに、顔も、名前も、性格までもが変わって、まるで別人みたいになってしまいました。

変わらないものなんて存在しない”と話す、木村みきおのセリフに、テセウスの船のパラドックスに対する答えの一部が込められているように思えます。

木村みきおは、田村心に“過去に逃げずに、過去と向き合って罪を償え”と言われたことが原因かわかりませんが、“過去に戻り、過去の全ての罪を被り、自分の存在を消す”つもりのようです。

木村みきおの結末はどうなったのか?それはテセウスの船の10巻でわかります。

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