テセウスの船

原作の結末〜文吾がタイムカプセルに入れたもの〜

テセウスの船の結末〜佐野文吾がタイムカプセルに入れたものは何?

テセウスの船の原作の結末を、佐野文吾、田村心、みきおなど、主な登場人物にスポットをあてて紹介しています。

1巻から読むほどに心が凍てつくようなサスペンスでしたが、結末はとても幸せな内容でした。

また、佐野一家が埋めたタイムカプセルには何が入っていたのでしょうか?

こちらの記事では、テセウスの船の原作の結末に関する重要なネタバレが含まれています。漫画をまだ最終回まで読んでいない方は、ご注意ください。

テセウスの船の原作の結末

テセウスの船10巻の表紙

テセウスの船の原作の結末は、田村心や佐野文吾にとって、理想に近い形でした。

音臼小の事件は起こることはなく、佐野文吾は、2017年になっても、家族と一緒に過ごしています。

佐野文吾

相変わらず、荒い運転をしているせいで、家族からブーブーと文句を言われています。

「うるせぇなぁ!」と口では言っていますが、かつて、「家族といつまでもそうやって騒がしくしていたい。」と語っていたことを思い出すと、まさにその通りになってます。

佐野和子

若い頃ほど、逞しさはないですが、表情や顔を見ると、幸せな日々を送っていることがすぐにわかります。

佐野鈴

お腹に赤ちゃんがいるみたいです。

もちろん、夫は加藤みきおではありません。

ただ、夫は誰なのかについては触れられていないのでわかりません。

和子と同じように、いい意味で、若い頃の活発さはなく、大人になっているようでした。

眉毛がちょっと薄くなっているのは、自分で手入れしたんでしょうか?笑

佐野慎吾

若いころの、文吾にそっくりに成長しています笑。

結婚しているのか、職業は何なのかについては謎です。

佐野心

最初は、「正義」という名前がつけられる予定でしたが、文吾が恩人の名前だからといって「心」という名前に変えました。

心は、大学の教育学部を出て、教師として働いています。

しかも、その職場には、岸田由紀が同僚としていました。

岸田由紀

佐野心と同じ学校で教師として働いています。

手作りのお弁当を心の分まで作ってくるなど、結婚するのも時間の問題?みたいです笑

みきお(元少年A)

札幌の街を、フードを被って、人目を避けるように歩く男。

それが、テセウスの船の、最後のシーンでした。

この男が、みきおであることは間違いありません。

でも、なぜ最後のコマが心や佐野一家ではなく、みきおだったのでしょう?

みきおの、“今”にも、テセウスの船のテーマが込められているはずです。

田村心

2017年に田村心はいません。

その理由は、最終話で佐野家が訪れていたのが、田村心のお墓だったことからわかると思います。

田村心は、「自分は“正義のために生まれてきた”」と語っていましたが、これから生まれてくる自分自身(正義)と、家族のために最後まで懸命に生き抜いていたのです。

田村心がなぜ、このような結末に至ったかについては、テセウスの船10巻で知ることができます。

▶︎▶︎テセウスの船10巻を読む

佐野一家のタイムカプセル

昔、佐野家が音臼村で住んでいた家の庭にはタイムカプセルが埋められています。

佐野家は、音臼村が閉村するよりも前に、その家を引っ越したようなのですが、2017年になって戻ってみても、変わらずそのタイムカプセルは庭に埋まったままでした。

佐野和子は、当時の様子を撮った使い捨てカメラ。

鈴は、当時使っていたペンケース。慎吾は、きんけし(キン肉マン消しゴム)。

田村心は、家系図と岸田由紀との結婚指輪を封筒に入れていました。

文吾がタイムカプセルに入れたもの

佐野文吾がタイムカプセルに入れたのは、一枚の紙切れです。

そこには、

“どんな過去があろうとも、過去に逃げず、今を生きろ by父”

引用:テセウスの船10巻より

と書かれていました。

慎吾は、さっそくこのメモを携帯で写真に撮って、心に送ろうとします。

鈴は、「明日戻ってきたときに、直接みせればいいじゃん。」と言うのですが、

「明日じゃなく、「今」を生きてる心に送るんだよ。」と、慎吾は言います。

佐野一家の中で、田村心が、未来からやってきたことを知っているのは、文吾だけです。でも、偶然ですが、慎吾が言った言葉には、テセウスの船の核心に迫るような意味が込められているように思います。

明日(未来)を生きる心とは、つまり田村心です。

慎吾は、田村心ではなく、佐野心に、このメッセージを送ろうとしたのです。

もちろん、突然、メールで送られてきた写真を見た佐野心は、「は?」となります笑

結末にあるパラドックスの答え

テセウスの船は、心が過去へタイムスリップし、過去を変えることで、そこから続く未来が大きくかわる物語でした。

もともと、「テセウスの船」とは、パラドックスの一つです。

その昔、クレタ島から帰還した英雄・テセウスの船を後世に残すために修復作業が行われた。古くなって朽ちた部品を徐々に新しい部品に交換していくうちに当初の部品は全てなくなった。

ここで矛盾が生じる・・この船は最初の船と同じといえるのか?

テセウスの船は、長旅でボロボロになった部品を新しく変えたことで存在し続けることができました。

でもそれは、元の船と同じと言えるか?そして、人の場合はどうか?

というのが、テセウスの船のテーマでした。

何を持って、テセウスの船と呼べる存在なのか?

何が人間の存在の核になっているのか?

その答えは、

佐野文吾が、突然、未来からやってきたという田村心を“自分の息子として認められることができたかどうか”という部分に込められています。

そして、過去、あなたが何であったかはそれ程大事ではなく、大事なのは今あなたは何であるのか?

というのがテセウスの船のテーマに対する私なりの解釈です。

テセウスの船の結末について、ご紹介しましたが、テセウスの船には、最終回を迎えても謎のままになっていることが少なくありません。

それらは、あえて答えを明示していないのか、それとも、何度も読み返すことで答えにたどり着くことができるのか・・。

私も、もう何度最初から最後まで読み返したかわかりませんが、その度に、新しい発見があります。

テセウスの船の原作漫画のストーリーは、本当に緻密に構成されています。全体を把握したい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

▶︎▶︎テセウスの船|原作漫画のネタバレ〜あらすじを時系列で紹介〜

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