「テセウスの船」の原作漫画のネタバレ含んだあらすじを時系列に基づいて紹介しています。
テセウスの船は、タイムスリップを扱ったサスペンスです。原作漫画の巻数と年代を合わせて順番になっているので、ストーリー全体のあらすじを把握したい時に役立ててもらえたらと思います。
また原作漫画は、テンポもよく、謎解きサスペンスが苦手な人でも、すぐに作品にのめり込むことができると思います。
こちらの記事では、テセウスの船の原作漫画に関する重要なネタバレが含まれています。漫画をまだ最終回まで読んでいない方は、ご注意ください。
テセウスの船の原作漫画
テセウスの船の原作漫画は、2017年〜2019年に、モーニングで掲載された作品です。
単行本は1巻〜10巻まで発売されていて、すでに完結しています。
テセウスの船の作者は、東元俊哉さんです。東元俊哉さんの出身は北海道で、テセウスの船の原作漫画の舞台になっているのも、北海道です。
ちなみに、音臼村は北海道のどこかにあるとされる架空の村で、実在しておらず、テセウスの船の物語も実話ではありません。
原作漫画のあらすじのネタバレ
テセウスの船は、主人公の田村心が、現代(2017年)と過去(1989年)をタイムスリップして行き来しながら、ストーリーが展開します。
田村心が過去にタイムスリップすることで、過去が変わり、そこから時続きの未来も変わっていきます。
これから、原作漫画のあらすじのネタバレを時系列で紹介する際、便宜上、以下のように年代を区別します。
- 1989年(A)・・・本来の過去
- 2017年(A)・・・物語の始まり(田村心が元々生きていた現代)
- 1989年(B)・・・田村心がタイムスリップした過去
- 2017年(B)・・・1989年(B)から時続きの現代
- 1989年(C)・・・2017年(B)から、タイムスリップした過去
- 2017年(C)・・・1989年(C)から時続きの現代
ちょっと、ややこしいですね笑
では、頭の中で本物の「テセウスの船」を思い浮かべてみてください。
この「テセウスの船」は、ゆっくりと過去から未来へ旅をしています。
「テセウスの船」の色は1989年(A)では黄色だったとします。2017年(A)も黄色です。
田村心が1989年(B)の1月7日にタイムスリップ
最初のタイムスリップが起きた時、田村心によって、「テセウスの船」の色が塗り替えられてしまいます。
- 1989年(B)の1月7日より過去→黄色
- 1989年(B)の1月7日より未来→オレンジ色
田村心が1989年(B)から2017年(B)へタイムスリップ
この時の「テセウスの船」の色は、オレンジ色です。
2017年(A)の黄色だった「テセウスの船」は、上塗りされてもう存在しません。
田村心が2017年(B)から1989年(C)の6月13日頃にタイムスリップ
この時、「テセウスの船」の色はどうなっているかというと、ちょっと複雑なことになってます。
- 1989年(C)の1月7日より過去→黄色
- 1989年(C)の1月7日〜6月13日→オレンジ色
- 1989年(C)の6月13日より未来→赤色
なんとなくイメージが湧いて来たでしょうか?
実際、1989年(C)の6月13日頃に、田村心がタイムスリップしたとき、本来なら、佐野家の人たちは、まだ生まれてもいない田村心のことを知るはずはないのですが、前回会った時の記憶をちゃんと持っていました。
ちなみに、2017年(C)の「テセウスの船」の色はというと・・、赤色です。
テセウスの船のパラドックスは、色だけでなく、船の部品が全て入れ替わったとしても、この船は「テセウスの船」と言えるかどうか?ということですね。
1巻|2017年(A)6月
あらすじのネタバレの中心トピックス
- 田村心の生い立ち
- 田村心と田村由紀の間に長女が生まれる
- 音臼小の慰霊碑の前で、田村心が過去へタイムスリップ
田村心の生い立ち
田村心は、父親に佐野文吾という死刑囚を持ちながら育ってきました。
佐野文吾が起こしたとされる音臼小の事件は、現役警察官が犯人だったこともあり、世間を大きく騒がしたのですが、まだ生まれてもいなかった田村心には、父親の記憶すらありません。
しかし、母親や兄姉が、加害者家族として、世間から激しい非難を浴びるのを間近で見て育ったため、田村心も、世間の非難から逃げるように、マスクで顔を隠して、目立たないように生きてきました。
そんな田村心に、妻の田村由紀は、佐野文吾には冤罪の可能性があると言って、事件の再調査をしようと話を持ちかます。
田村由紀は、佐野文吾が逮捕されることになった音臼小の事件や、事件当時、音臼村で起きた不可解な事故に関する記事を、ノートにスクラップしていました。
田村心と田村由紀の間に長女が生まれる
田村心と田村由紀の間に長女・未来(みく)が生まれます。しかし、田村由紀は、長女を出産した直後に亡くなってしまいます・・。
さらに追い討ちをかけるように、田村由紀の両親が、「殺人犯の息子の元に孫をおいておけない」と親権をゆずるように迫って来ます。
田村心は、義父たちに長女を託すことも考えるですが、長女の笑顔を見た途端、「この子の笑顔は、自分が守る!」と、過去と向き合うことを決意するのでした。
音臼小の慰霊碑の前で、田村心が過去へタイムスリップ
田村心は、長女を殺人犯の孫にしないために、父親の無罪を証明するための行動に出ます。
そして、これまで一度も会うことのなかった父親の佐野文吾に会う決意をします。
田村心は、父親のいる拘置所を訪ねる前に、今は廃村になってしまった旧・音臼村を訪れました。
音臼小の校舎は、事件後に取り壊されて、今は更地となって慰霊碑だけが残っています。
田村心が慰霊碑の前に来た途端、辺りに濃い霧が立ち込め、田村心は1989年(B)の1月にタイムスリップします。
1巻〜2巻|1989年(B)1月
あらすじのネタバレの中心トピックス
- 田村心が佐野鈴が自宅の玄関先で雪に埋もれているところを救出
- 三島千夏が自宅の倉庫でパラコートを誤飲して中毒死する事故が起こる
田村心が佐野鈴が自宅の玄関先で雪に埋もれているところを救出
田村心が最初に通りがかったのは、偶然か運命のいたずらか、佐野一家が住む家でした。
ちなみに、“田村”は母親の和子の旧姓です。音臼小の事件の後に、加害者家族であることを隠すために、旧姓に戻していました。
田村心は、佐野鈴が屋根の上の除雪中に転落して、雪の中に埋もれているのを発見します。
すぐに病院に連れて行ったことで、佐野鈴は軽い霜焼け程度で助かります。
1989年(A)の本来の過去では、佐野鈴は、新聞配達の長谷川翼に助けられることになっていて、顔にも凍傷による大きなあざが残るはずでした。
しかし、田村心が過去にやってきたことで、事実が変わってしまったのです。
この時、田村心は、音臼小の事件も、同じように未然に防ぐことができれば、自分たちは殺人犯の家族にならなくていいのではないかと、大きな希望を感じたに違いありません。
ちなみに、この時、病院では夕刊を届けにやってきた長谷川翼と、三島医院の長女・明音が不可解な会話をしていました。
三島千夏が自宅の倉庫でパラコートを誤飲して中毒死する事故が起こる
田村心がタイムスリップした1989年1月7日は、佐野鈴の転落事故だけでなく、三島千夏がパラコートを誤飲して中毒死する事故も起きています。
田村由紀のノートを見て、そのことを事前に知った田村心は、三島医院の倉庫から、事故の原因となるパラコートを持ち出し、林の中で捨てます。
これで事故を未然に防ぐことができたと安堵したのですが、林を出たあとで、三島千夏と一緒に歩く佐野文吾を見かけます。
不審に思った田村心は、佐野文吾と三島千夏の後を追うのですが、吹雪で視界が悪かったため、すぐに見失ってしまいます。
そして、その数分後に、三島千夏は意識不明の状態で見つかります・・。
田村心は、直前まで、千夏ちゃんと一緒にいた佐野文吾を怪んで、周辺を探ると、派出所の机の下から、空になったパラコートの容器を見つけます。
ますます、佐野文吾を怪しむ田村心ですが・・。
2巻〜4巻|1989年(B)2月
あらすじのネタバレの中心トピックス
- 木村さつきの父親が雪崩に巻き込まれるのを防ぐ
- 田村心と佐野文吾が協力して村の平和を守ることを決める
- 田村心が音臼小の臨時教師として働き始める
- 音臼小で飼っていたうさぎが何者かに惨殺される
- 三島明音と佐野鈴が行方不明になる
- 田村心が犯人だという疑いが強まる
木村さつきの父親が雪崩に巻き込まれるのを防ぐ
田村心は、当面の行動として、田村由紀のノートに書かれた事故を未然に防ぐことにします。
次に書かれていたのは、“木村さつきの父親が雪崩に巻き込まれて重傷を負う”という内容でした。
ちなみに、木村さつきは、音臼小の教師で、音臼小の事件の被害者の1人です。
朝、経営する工場へ向かう木村さつきの父親を、偶然近くを通りかかった佐野文吾が運転するパトカーに乗って追いかけ、ギリギリのところで、雪崩に巻き込まれるのを防ぐことに成功します。
田村心と佐野文吾が協力して村の平和を守ることを決める
佐野文吾は、田村心の免許証の交付日が平成27年であること、木村さつきの父親を雪崩から救ったことから、田村心が未来からやってきたことを信じるようになります。
そして、田村心に、一緒に村を守ることを提案。
田村心も、佐野家で家族や文吾と一緒に過ごすうちに、彼が人を殺めるような人物ではないと信じるようになっていました。
田村心は、重要な事実は伏せたまま、佐野文吾と協力して、音臼村の平和を守る正義の味方になることを決意するのでした。
佐野文吾が、音臼小の事件の犯人でないとすれば、必ずどこかに真犯人がいるはずです。
田村心が音臼小の臨時教師として働き始める
田村心が持っていたお金は、この時代では使えないため、生活費を稼ぐためにも、音臼小の臨時教師として働くことになります。
元々、田村心は、2017年(A)では、教師を目指して大学の教育学部を卒業していました。
しかし、殺人犯の息子だったために、世間がそれを許すことはなく、教師になる夢をあきらめていたのです。
だから、念願の夢が叶って、田村心はとても嬉しそうです。
音臼小で飼っていたうさぎが何者かに惨殺される
念願の教師になれた田村心でしたが、いきなり試練が訪れます。
学校で飼育していたうさぎが、何者かによって惨殺されるのです。
生徒たちに、「誰がこんなひどいことをしたの?」と聞かれた時、田村心は、不意に“長谷川翼”の名前を出してしまいます・・。
子供たちから“翼くん”と呼ばれて、人気のあった彼を疑ったことで、田村心の立場は一気に窮地に追い込まれてしまいます。
三島明音と佐野鈴が行方不明になる
田村心が、不意に長谷川翼を、うさぎを惨殺した犯人だと疑ってしまったことで、それまで親友だった三島明音と佐野鈴の仲に大きな亀裂が生じます。
クラスメイトに対して、影響力の大きかった三島明音は、みんなを巻き込んで、佐野鈴と田村心を追い込んでいきます。
そんなある日、三島明音と佐野鈴が、そろって行方不明になります。
佐野鈴は、三島明音と仲直りするために、彼女の自宅を訪ねているのですが、その後の2人の行方がわからなくなっていたのです。
夜になっても、2人は戻ってくることはなく、この日は、ひどい吹雪だったため、捜索隊も村へやってこれていません。
村の人を集めて、佐野文吾や田村心が、必死に2人を探していると、ようやく佐野鈴の姿を見つけます。
しかし、三島明音だけは、相変わらず行方不明のままでした・・。
田村心が犯人だという疑いが強まる
三島明音の失踪事件は、最悪の形で結末を迎えることになります。
そして、田村心が音臼村へやってきてから、立て続けに事件や事故が起きているため、自然と犯人ではないかという疑いが強まります。
金丸刑事まで、音臼村に捜査やってくるようになり、田村心は、ますます身動きが取りづらくなります。
追い詰められた田村心は、佐野文吾にこれまで伏せていた重要な事実を伝えるのですが、信じてもらうことはできず、「村を出てけ!」と追い出されてしまいます・・。
4巻〜8巻|2017年(B)6月
あらすじのネタバレの中心トピックス
- 佐野一家の状況が過酷なものに変わっていた
- 消えた田村由紀と田村未来
- 佐野文吾との再会
- 佐野鈴との再会と車椅子の男との出会い
- 佐々木紀子の新たな証言
- 田村心と真犯人が対峙
佐野一家の状況が過酷なものに変わっていた
佐野家を追い出された田村心が、音臼小の方へ歩いていると、また深い霧が田村心の周りに立ち込めました。
気づくと音臼小の校舎は消えていて、代わりに慰霊碑が目の前にあったのです。
田村心は、再びタイムスリップして、現代に戻ってきました。
しかし、この現代は以前までのものとは違っていて、佐野一家の状況はさらに過酷なものに変わっていました。
音臼小の事件後、佐野和子は、世間からの激しい非難に耐えられなくなり、一家心中をはかります。この時、母親の和子と、兄の慎吾はなくなったのですが、姉の鈴と心だけは無事だったようです。
消えた田村由紀と田村未来
2017年(B)で、存在が消えていたのは、和子と慎吾だけではありませんでした。
岸田由紀は、田村心と結婚しておらず、田村未来も生まれていませんでした。
岸田由紀は、別の男性と結婚した後、離婚していて、彼女には3歳になる息子もいました。
佐野文吾との再会
2017年(B)のあまりの変わりように、ショックを受けた田村心は、拘置所にいる佐野文吾に会いにいきます。
そこで、再会した佐野文吾は、田村心のことをはっきりと覚えていて、田村心が家を出た後のことを一通り語ってくれました。
そして、最近、姉の佐野鈴が拘置所に来てくれたことを知ります。田村心は、佐野文吾から鈴が住んでいる家の住所を聞いて、さっそく会いにいきます。
佐野鈴との再会と車椅子の男との出会い
田村心が佐野鈴の家を訪ねると、現れたのは、村田藍という、全く別人のような女性でした。
佐野鈴は、音臼小の事件の後、顔と名前を変えて、過去から逃げるようにして生きていたのです。
田村心は、村田藍の内縁の夫だという車椅子の男と、彼の母親に見覚えがありました。そして、彼らも田村心を見て、「どこかでお会いしたことあります?」と言うのです・・。
佐々木紀子の新たな証言
佐々木紀子は、木村さつきの父親が経営する木村鍍金工場のパートで、音臼小の事件で使われた毒物を工場から持ち出した人物です。
また、長谷川翼の婚約者でもありました。
その彼女が、今になって、事件に関する新しい証言があると言い始めたのです。
田村心と真犯人が対峙
音臼村では、毎年、事件が起きた日に慰霊祭が行われています。
田村心は、真犯人が、慰霊祭で再び大きな事件を起こすことを事前に知り、それを防ぐために、音臼村へと向かいます。
そして、慰霊祭の日の早朝。田村心は、ついに真犯人と対峙します。
田村心が、真犯人を追い詰めたその時、突然、2人のまわりに、濃い霧が立ち込めて、気を失ってしまいます。
田村心が目を覚ますと、そこは1989年(C)の6月でした。
8巻〜10巻|1989年(C)6月
あらすじのネタバレの中心トピックス
- 消えた真犯人
- 運命の6月24日
消えた真犯人
田村心がタイムスリップして目を覚ましたのは、1989年(C)の6月20日で、音臼小の事件が起こる4日前でした。
佐野文吾に、これまでのいきさつを話して、2017年(B)で知った、真犯人の自宅へ向かうのですが、そこにはもう誰も住んでいませんでした。
2人が家の前に止めた車の中で話していると、そこを木村さつきが通りかかります。
実は、彼女にも共犯の疑いがあるため、田村心は、半ば強引に木村さつきの家に上がり、事件の証拠になるようなものを探し始めるのですが・・
運命の6月24日
結局、真犯人とは会えないまま、運命の6月24日を迎えます。
この日、“真犯人が、電車に乗って音臼村へやってくる”という情報を聞きつけて、佐野文吾は駅で犯人が来るのを待ち構えます。
田村心は、音臼小で生徒や保護者の荷物検査を行いながら、共犯の疑いがある木村さつきの行動を監視します。
そこへ、駅で犯人を拘束することができなかった佐野文吾が合流。そして、2人で厳重な警戒態勢を敷く中、それをあざ笑うかのように、校内放送が流れます。
「今日は待ちに待ったお泊まり会です。・・・みんなで一緒に眠って、クスクス・・いい夢を見ましょう・・」
引用:テセウスの船10巻より
声の主は・・・真犯人のものでした・・!
最終話|2017年(C)6月
佐野文吾、和子、鈴、慎吾の4人は、ある人物の墓参りにやってきています。
そして、閉村した音臼村のかつての自宅を訪れて、昔、庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こします。
それぞれが、自分が入れたものを手にして、感慨深そうにしています。
ふいに慎吾が、「親父は何を入れたの?」と尋ねます。
佐野文吾がタイムカプセルに入れたものは、テセウスの船のテーマに迫るようなものでした。
原作漫画の犯人のネタバレ
テセウスの船の原作漫画の犯人は、とても意外な人物でした。
彼は、長谷川翼の弱みを握って、三島明音を監禁し、さらに、音臼小の事件を起こします。
この犯人の動機は、衝動的で、とても子供っぽいものでした。
しかし、犯行は念入りに計画を立てて行われています。
犯人は衝動性と計画性の相反する性質を持っていたのです。
▶︎▶︎テセウスの船の原作の犯人〜動機が衝動的なのに計画的な犯行〜
原作漫画の結末のネタバレ
テセウスの船の原作漫画の結末では、佐野家のみんなが、廃村になった音臼村に訪れるシーンが描かれています。
そこには、佐野文吾、和子、鈴、慎吾の姿がありました。しかし、心の姿がありません・・。
少なくとも、佐野家はいつも通り、わいわいと賑やかで、幸せそうです。
田村心は、今度こそ家族と一緒に、幸せに暮らせているのでしょうか?
▶︎▶︎テセウスの船|原作の結末〜文吾がタイムカプセルに入れたもの〜
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