テセウスの船で、田村由紀(=岸田由紀)が書いたノートの内容は、主人公の田村心が過去でどのような行動をとるのか迷った時の大きな助けとなっていました。
その内容は、音臼村で起こる大小様々な事件や事故について詳細にかかれていたのです。
また、田村心が佐野文吾の無罪を証明することを決意するきっかけになったのは、田村由紀の言葉と、娘の笑顔でした。
こちらの記事では、テセウスの船の田村由紀に関する重要なネタバレが含まれています。原作漫画をまだ読んでいない方は、ご注意ください。
テセウスの船の原作漫画の田村由紀のノート
テセウスの船の原作漫画の岸田由紀が残したノートは、1989年の音臼村で起こった、あらゆる出来事がまとめられていました。
1989年にタイムスリップした田村心は、このノートに書かれていることを頼りに、行動することになります。
1989年1月
7日(土)
佐野鈴(11)が自宅の屋根を除雪した所、転落。雪に全身が埋まり意識を失う。
佐野文吾(32)は勤務中で、母の和子(31)と長男の慎吾(6)は留守だった。
新聞配達員の長谷川翼が鈴を見つけ病院へ運んだ。命に別条はなかったものの凍傷により顔にあざが残った。
7日(土)
三島医院の次女・千夏(5)が自宅の倉庫でパラコートを誤って飲み、死亡。
10日(火)
千夏の死因がパラコート中毒だと判明。
12日(木)
木村さつき(30)の父親、木村敏行が車を運転中に事故にあう。
1989年2月
5日(日)
村の住人、田中義男(90)が自宅で死亡。田中は心臓に持病があり、一人暮らし。死因は心臓発作であった。発見したのは近所に住む少年。
12日(日)
村の佐々木家の飼い犬が死んでいるのを、妻の佐々木紀子が発見。犬の死因は不明。
19日(日)
母、和子さんの誕生日
1989年3月
11日(土)
木村さつきが全治3週間の骨折。
12日(日)
音臼小に通う三島明音(12)が行方不明になる。この日、三島明音はクラブを終えた後、夕方に下校。
クラブ顧問であった木村さつきは足の骨折のため、三島明音を送ることができなかった。
22日(水)
三島明音が見つかることなく、探索が打ち切りになる。三島明音を家まで送らなかった木村さつきが避難をあびることに。
25日(土)
修了式
1989年4月
6日(日)
村の住人、佐々木紀子が自殺。死因は中毒だった。
佐野文吾は、三島明音の事件で、参考人として佐々木紀子を事情聴取していた。
テセウスの船のドラマの田村由紀のノート
テセウスの船のドラマでは、田村由紀のノートの内容(元々の過去)が原作と、かなり違っています。
音臼小の事件が6月ではなく、3月に変わっているので、それに合わせて、全体的に早まっています。
原作とドラマで、ノートの内容が、ここまで変わっていることからも、うわさ通り、犯人は違う人物に変わりそうです。
1989年1月
1月7日(土)
佐野鈴が神社の階段から転落
1月7日(土)
三島医院の次女、千夏が、自宅倉庫にあったパラコートを誤飲して中毒死
1月8日(日)
7日に亡くなった三島千夏の通夜が行われる
1月9日(月)
午前7時頃、音臼岳の荒川橋付近で雪崩が発生。
車で通りかかった木村メッキ工場の工場長・木村敏之(当時71歳)が巻き込まれて死亡。
1月15日(日)
元宮城県議会議員で詩人でもある田中義男(当時74歳)が自宅で火事により死亡。当時田中さんは、1人暮らしだった。
1月16日(月)
三島医院の長女・三島明音(当時11歳)が下校中に失踪。学校のクラブ活動を終えた後、午後5時頃下校。午後10時頃、娘が帰宅しないことを不審に思った両親が警察に通報。
1月26日(木)
三島明音の捜索が打ち切られる
1989年2月
2月1日(水)
今西工業(株)の敷地内で飼い犬が不審死。発見者はこの家に住む今西幸子(当時56歳)
2月11日(土)
除雪作業を行っていた竹下好夫(当時73歳)が誤って自宅の屋根から転落し死亡。
2月16日(木)
塚本印刷(株)の敷地内で不審火。南側倉庫付近に駐めてあったバイクが萌える。
2月18日(土)
佐々木紀子(当時36歳)が自殺。死因はシアン中毒。
佐野文吾は、三島明音の事件の参考人として、複数回、佐々木紀子に事情聴取していた。
2月23日(木)
井沢商店の倉庫から商品が入ったダンボール1箱が盗まれる
2月27日(月)
午前3時頃、音臼村役場に不審者がいると近隣の住民から110番通報
1989年3月
3月12日(日)
音臼小の事件
田村由紀のノートが事件の真相を知る鍵
田村由紀のノートには、音臼小の事件の真相を知る鍵となる、重要な情報が書かれています。
不可解な事件は、日曜日に起きているのは偶然か?
田村由紀のノートから、不可解な事故や事件が起きていたのは、ほとんどが日曜日であることがわかります。
ドラマでも、日付が変わっていても、重要な事件の曜日は、日曜のままです。
このことから、音臼小の事件の真犯人が関わっていた事件は、全て休日に行われていたという仮説が立ちます。
さらには、真犯人が、前もって計画していた事件は日曜に起こり、思い立ってやってしまったことは土曜日であるという仮説も・・。
その根拠は、テセウスの船の原作漫画で、真犯人が三島千夏のパラコート誤飲事件について語った部分にあります。
真犯人は、「その時は、(何もせずに)本当に帰ろうと思っていた。」と話しています。
原作漫画では、三島千夏が、パラコートを誤飲して倒れた時、音臼小の事件を起こした真犯人も、三島医院にいたのです。
田村由紀のノートは誰の手に?
原作漫画では?
しばらくの間、田村由紀のノートをもっていたのは、田村心でした。
しかし、金丸刑事に身元を怪しまれて、追い込まれてしまったため、田村心は、ノートと身分証を谷底に投げ捨てます。
このノートを偶然拾ったのが、なんと音臼小の事件を起こすことになる真犯人でした・・!
真犯人が未来のことが書かれたノートを手にしたことで、音臼小の事件を食い止めようとする田村心と佐野文吾の裏を取ることができるようになったのです!
そして、田村由紀のノートは、音臼小の事件が起こる直前になって、真犯人によって、燃やされています。
▶︎▶︎テセウスの船の原作漫画の犯人〜動機が衝動的なのに計画的な犯行〜
テセウスの船の田村由紀
テセウスの船の田村由紀は、主人公の田村心の妻です。
しかし、この事実は、田村心が過去へタイムスリップして、過去を変えたために、変わることになります。
田村由紀がきっかけで物語が動き出す
田村心は、音臼小の事件について知ろうとすることはなく、できるだけ避けて生きていました。
田村心は、教師になることが夢で、大学は、田村由紀と同じ、教育学部に通っていました。でも、殺人犯の息子であることが大きな障壁となり、夢を諦めて、運送会社で働いています。
そんな田村心を、田村由紀は、「お父さんの事件と心は関係ない!」「まだまだチャレンジするべきよ!」と勇気付けます。
田村由紀が、子供を出産した直後に亡くなったことで、田村心は、田村由紀の言葉を思い出し、父親の無実を証明することを決意します。
田村由紀の存在が消えた?
田村心は2017年6月から、1989年1月7日にタイムスリップしたあと、再び2017年6月10日にタイムスリップします。
田村心が、1989年で過去を変えたため、元の未来は、新たな未来によって、まるで上書きされたかのように消えて無くなっていました。
この未来で、田村由紀は存在しておらず、岸田由紀のまま、別の男性と結婚していたのです。
田村心と岸田由紀の結末
田村心は、岸田由紀と結婚して築いた家庭に、居場所を感じています。しかし、田村心が、過去へタイムスリップしたことで、帰る場所を無くしてしまうのです。
田村由紀の言葉をきっかけに、娘の笑顔を守るために、奔走していたのに、それ自体が消えたときのショックは、計り知れないほどの大きさだったと思います。
そんな、田村心に対して、父親の佐野文吾がかけた言葉に、テセウスの船のテーマが込められているように思えるのです。
田村心と岸田由紀はどのような結末を迎えるのでしょうか?
テセウスの船の原作漫画のストーリーは、本当に緻密に構成されています。全体を把握したい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶︎▶︎テセウスの船|原作漫画のネタバレ〜あらすじを時系列で紹介〜
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