ランウェイで笑っての芸華祭は、4巻〜9巻に渡る長丁場で、その様子が描かれています。
ランウェイで笑っての漫画で、私が一番好きなストーリーでもあります。
ファッションショーの参加者が優秀賞を目指す中で、芸華祭のグランプリを受賞したのは意外ではあったんですが、それを最も必要とするデザイナーでした。
こちらの記事は、ランウェイで笑っての芸華祭に関する、ネタバレを多少含んでいます。まだ漫画を読んでいない人は注意してください。
ランウェイで笑っての芸華祭
ランウェイで笑っての芸華祭とは、服飾芸華大学の学園祭のことです。
服飾芸華大学は、パリコレに出展したデザイナーを多く輩出する日本一の服飾大学です。
例年は、芸華大に通う学生だけが芸華祭のファッションショーに参加していましたが、今回はある生徒の希望で学外からの参加枠が設けられています。
芸華祭のグランプリ賞品はデザイナーなら誰もが欲しがるもの
芸華祭は、芸華大に通う学生はもちろん、デザイナーを目指す人は誰もが参加したいと思うような由緒あるコンテストです。
審査員には、既に有名デザイナーとして活躍している卒業生や、各界の著名人が呼ばれます。
そして、芸華祭でグランプリ(=最優秀賞)を取った人は、パリ留学と、ブランド立ち上げの援助をしてもらえるのです!
芸華祭の参加者と優勝候補
主な参加者
芸華祭以降も、ランウェイで笑っての本編で登場することになる主要人物を除くと、芸華祭でスポットが当てられているのは、木崎香留と江田龍之介だと思います。
2人とも、デザイナーとしての腕は確かで、特に、木崎香留の変化(=成長)が、一つの見所になっています。
木崎香留
芸華大の2年生。東京コレクションの時に、柳田一をフィッターとして手伝ってました。その時、育人と出会っているのですが、ある理由で、育人のことをよく思っていないみたいです。
ただ、ありがちな嫌がらせをするような敵役ではなく、むしろ、参加費のことで困っているところに助け舟を出すくらいです。
正々堂々と戦って、ねじ伏せるつもりのようです。
江田龍之介
芸華大の2年生。木崎香留の友人。専攻はメンズファッションですが、余程、腕に自信があるみたいで、予選の時は、あえてウィメンズファッションの枠で戦っています。
優勝候補は?
芸華祭の優勝候補は、4年生の綾野遠です。
祖母の綾野麻衣は、国内トップクラスのデザイナーです。
綾野遠は、幼いころから、そんな祖母に憧れてデザイナーを目指していて、現段階で、どこのブランドに就職しても、即戦力になるのは間違いない逸材です。
芸華祭の結果〜グランプリは誰?〜
芸華祭に参加したいと思う学生は多く、本戦の前に2回の予選が行われています。
1次予選
1次予選のテーマ
- セイラに似合うオシャレな服
- 3分の1スケールのドールを使う
- デザインに使える予算は参加費の1万円
その他にも、細かいルールが多少ありますが、二日間に渡って、1次予選は行われました。
1次予選の参加者の様子
“オシャレな服”という、漠然としたテーマは、自由度が高い分、方向性やコンセプトを決めることが難しいみたいです。
参加者はみな、審査員をあっと驚かせるようなコンセプトを探っていました。そんな中、育人が立てたコンセプトは、他とはかなり異彩を放つものだったんです。
予想の斜め上を行くようなデザインに、木崎香留も「私にはこの発想は浮かばなかった・・。」と素直に認めるくらいです。
1次予選の結果
芸華祭1次予選の審査員は、芸華大の学園長、担当講師、綾野遠(1次予選は免除)、無作為に選ばれた参加者3名
一次予選の審査は、参加者がお互いのデザインについて批評するという異例のものでした。当然、相手は敵なので、粗探しをしては、批判していきます。
ただ、一次予選は、そんな批判だらけの中で評価を得たデザイン・・というわけではなく、たった一つの重要な評価基準があるだけだったんです。
2次予選
芸華祭の2次予選は、指定されたデザインをパターン化して作ることです。1次予選がデザイナーとしての素質を見極めるものだったのに対して、2次予選では、パタンナーとしての能力を審査するのが目的みたいです。
でも、2次予選の様子は、ほとんど描かれていません。
というのも、ランウェイで笑っての芸華祭編は、群像劇のように、登場人物の過去と現在と目指したい未来が、多角的に描かれています。
芸華祭参加者の思いや目的が、複雑に絡み合って、感情を揺さぶるストーリーが見所になっています。
2次予選では、本戦でそれぞれの結末を描く前に、登場人物のそれぞれにスポットを当てて、「この人はなぜデザイナーを目指しているのか」を説明するようなストーリーになっています。
本戦
本戦のテーマ
- メンズとウィメンズ、それぞれ20組がフルサイズの衣服を作りランウェイを歩く
- テーマは「わ」
- 1組の服の枚数は最低数5枚で上限はない
- 評価基準は、もっとも評価が高かった1着に準ずる
テーマの「わ」は、連想されるものであれば「和」「輪」「話」など、どんなものでも大丈夫です。1次予選の時ほど自由度はないですが、デザイナーの創作力が試されるテーマです。
本戦の様子
本戦が行われるのは二日間だけですが、準備期間は1ヶ月以上も用意されています。そのため、芸華祭本戦の参加者は、コンセプトの立案、デザイン画、縫製と、あらゆる作業を念入りにすることができるのです。
しかも、チーム戦で戦うことも許されていて、本戦参加者どうしがチームを組んだり、予選で敗退した人を誘ったりなど色々あるみたいです。
ランウェイを歩くモデルは、予め芸華大運営が用意していますが、必要であれば自分で用意してもいいみたいです。
そうなると、当然、彼女の名前が浮かび上がりますよね笑
でも、芸華祭本戦では、普通なら絶対に考えられないような意外なチームが出来上がっていたのです。
本戦の結果
芸華祭の本戦では、参加者が目標に向かって、悩んで、苦しんで、努力する姿に心を揺さぶられます。
目標は、超えなければならない壁だったり、見返してやりたい相手がいたり、自分の本気を認めて欲しい相手がいたりと、色々です。
私は、その中でも、超えなければならない壁を乗り越えられる可能性を見つけた、小さなモデルに一番、感動しました・・。
芸華祭編は、4巻から始まって、9巻で結末を迎える長丁場の話です。そして、ランウェイで笑っての魅力が存分に含まれているのも、この芸華祭編だと思うわけです。
ちなみに、芸華祭のグランプリを受賞したのは、それを最も必要としている人物だったと思います。