薬屋のひとりごと壬氏の正体

薬屋のひとりごとの壬氏の正体についてご紹介しています。

薬屋のひとりごとの壬氏は、宦官として後宮で「ある役割」を担っているというのが物語序盤における認識でした。

ところが、ストーリーが進むにつれて、「実は、宦官ではない」「皇帝と密接な関係がある」など、壬氏の正体における新事実が次々とわかってきます。

結局、壬氏は一体何者で、どんな役割をになっているのか?・・といういのは、薬屋のひとりごとを読んだ人の多くが思う疑問です。

天女のごとき宦官・壬氏の正体に迫ります!

薬屋のひとりごとの壬氏の正体

まずは結論からお話します。

薬屋のひとりごとの壬氏の正体は、「現・皇帝と阿多妃の間に生まれた実子」です。

つまり、もっとも皇位継承するに近い人物ということになります。

「薬屋のひとりごと7巻」で玉葉妃の懐妊が明らかになりました。漫画ではまだ語られていませんが、玉葉妃はこの後、無事に東宮を出産することになります。

公にされていることだけで言うと、この東宮が皇位継承第一位となるわけですが、壬氏の出生が公にされれば、必ずしもそうなるとは限らなくなります。

さらに話が少し複雑になりますが、とある理由から壬氏は皇帝の実子ではなく、弟であると認識されています。

壬氏が皇帝の実子であることが公にされていない理由を、ストーリーにも少し触れながらお話ししていきたいと思います。

天女のごとき偽宦官

出典:薬屋のひとりごと1巻

まず、壬氏は幼い頃から皇弟(=皇帝の弟)として育ちます。

本名は、華瑞月(かずいげつ)です。

幼い頃の壬氏に会ったことのある一部の高官は、壬氏を皇弟と認識していることでしょう。

そして、壬氏が乳離れした頃から教育係を担当するようになったのが高順です。

壬氏が18歳(13歳?)になった頃、皇帝から“とある任務”を言い渡され、後宮で宦官として働きはじめます。

後宮は、女性を除けば、“皇帝、またはその血縁の男性”のみが立ち入ることができる場所です。

そこへ偽宦官の壬氏が立ち入ることができたのは、皇弟であり、女性と見紛うほどの美貌を持った天女のごとき外見の持ち主だったからです。

実際に、猫猫が初めて壬氏を目にした時「なんだあの偉そうな女官は。・・ん?肩幅が広い。男なのか?もったいないな。」と感想をもらしています。

壬氏は後宮にいるとき、次のような嘘をついています。

  • 本当は宦官ではない
  • 皇弟である(実際は皇帝の実子)
  • 年齢は24歳としているが、実際は18歳

ちなみに、これらの事実を知った上で漫画版「薬屋のひとりごと」を読み返すと、いろんなところで伏線が貼られていたことに気づきます。

いくつか例をあげると・・

大分幼く見える」(2巻第8話猫猫の心情)

園遊会で毒入りスープを毒味をした猫猫を心配して駆けつけた壬氏を見た猫猫のセリフです。

この時、壬氏は自分が皇弟であることを知っている者が園遊会に参加しているため、宴の席を外して隠れていました。そのため、服装は乱れ、いつものきらきらした雰囲気もなりを潜め、かなり幼い“素”の部分が出てしまっていたのです。

もし壬氏がこの大掛かりな事件で狙われるに値する人物だとしたらー」(7巻33話猫猫の心情)

偶然を装ったいくつもの事故を引き起こし、それらを利用して壬氏を暗殺しようとした計画を阻止した直後の猫猫の心情描写です。

猫猫は、「ぞわっ」として「考えないでおこう。知ったところで面倒なだけだから。」といって、それ以上詮索することをやめてしまいます。ですが、この時、壬氏が皇帝に近しい人物であると予想はしていたでしょう。

一応のけじめだ。宦官としてのな。」(7巻34話壬氏のセリフ)

壬氏は、毎日「男性の機能を抑制する薬」を飲んでいました。奇妙な甘さにいつまでたっても慣れないと愚痴をこぼす壬氏に、「嫌なら飲まなくてもよろしいのに。そのうち本当に不能になりますよ。」と高順が言っています。

伏線というよりも、ほぼほぼこのシーンで壬氏が宦官ではないとわかってしまいます笑。

壬氏の任務と真の目的

壬氏は皇帝からとある任務をいい渡されて後宮に潜入しています。

その任務は以下の通りです。

  • 皇帝に逆心を抱く者をあぶりだすこと
  • 皇帝の后にふさわしい人物を見つけ出し推挙すること
  • 皇帝の后にふさわしくないものを除外すること
  • 壬氏の結婚相手を見つけること(推察)

1〜3つめの任務は、漫画版でもセリフとして確実にあるものです。しかし4つめの任務は漫画版ではまだ確定していません。

「薬屋のひとりごと7巻34話」で「さっさとお手付きをつくってこんな仕事早く終わらせろ。とでも言いたげな顔だな。」と壬氏が高順にいっていることから、推察することができます。

さらに、壬氏は表向きは事務仕事(文官から提案された新しい法案の採否の決定など)や、後宮や外廷で起きた事件や事故の捜査などをしています。

これだけの任務や仕事を抱えていれば、寝る間もないほどの多忙な生活になるのも頷けます。

壬氏の出生の秘密

壬氏の出生の秘密を確実に知っているのは、現皇帝と、皇太后(先代皇帝の正室)、阿多妃のみです。

壬氏本人も自分は皇弟であると思い込んでいるようです。(まだ小説版やウェブ小説を全て読んでいないので誤りがあるかもしれません・・)

現皇帝と阿多妃は幼い頃から親しい仲で、現皇帝が即位する前からの妃でもありました。

運悪く、阿多妃の出産は、皇太后の二人目の出産と時期が重なってしまいます

先代皇帝には幼女を好む癖があり、皇太后は幼くして現皇帝を産んだため、当時は命の危険すらあったようです。西方の国で医術を学んでいた羅門(猫猫の養父)が出産に立ち会ったため、幸い子宮も無事でした。

一人目(現皇帝の出産)のことがあったため、二人目のときも医官の羅門は皇太后の出産につきっきりとなり、当時はまだ皇太子妃だった阿多妃の出産はないがしろにされてしまいます。

後宮は慢性的な医官不足に悩んでおり、阿多妃はこの時、無事に子を出産することはできても、子宮を失い二度と子を産めない体となってしまいます

産後まもなくで、阿多妃は精神的に弱っていたこともあり、とある重大な決断を下し、それを実行します。

それが、“赤子の入れ替え”です。

皇帝の子と、東宮(皇太子)の子とではどちらが、より強い庇護を受けられるかを実感した阿多妃は、皇太后の赤子(本物の皇弟)と、自分の赤子(壬氏)を入れ替えたのです

皇太后の元で、皇弟として育った壬氏は、知っての通り天女のごとき美貌を持つ青年として順調に育ちます。

一方、阿多妃の元で育った子(本物の皇弟)は、幼い頃にはちみつに含まれた毒が原因で命を落としています。

皇太后が、赤子の入れ替えに気づいた時には既に本物の皇弟はなくなってしまっていたため、取り上げた羅門は肉刑にあい、後宮を追い出され花街で薬屋をすることになります。

ここからは、まだ小説を読んでいないので推測になりますが、皇弟として育てていた壬氏を、いきなり「実は私の子でした」などとそう簡単に言えるはずもなく、そのまま事実を伏せていたのではないでしょうか。

阿多妃と皇帝の関係

阿多妃と皇帝の関係は、思った以上に純愛だったのかもしれません。

もともとは、阿多妃と皇帝は幼いころから親しい仲で、年上の阿多妃は皇帝のよき相談役でもあったようです。

阿多妃が子宮を失って、子を産めない体になってからも、淑妃として後宮に止まらせ続けたのにはこういった理由がありました。

また、皇帝は玉葉妃が二人目を懐妊してからも、定期的に翡翠宮に通ってはたわいもない会話をしたり、かわいい公主と遊んだりしています。その姿を見て猫猫も「ただの好色おやじではないのかもしれない」と考え直しています。

阿多妃は青年のような静観さと母性を併せ持つ

阿多妃については、次のように語られています。

「無駄なものが削り取られたその姿には華や豊満さ愛らしさはないが、その分中性的な凛々しさと美しさが際立つ」

出典:薬屋のひとりごと4巻

たしかに、妃の着る大袖より、乗馬用の胡服の方が似合いそうな外見です。

外見だけでなく、立ち振る舞いや言葉遣いにもどこか男性的なものを感じます。

そんな阿多妃ですが、同じ上級妃の里樹妃の前では母親の顔を見せるのでした。

そのシーンというのが、「薬屋のひとりごと4巻18話」にあります。

▶︎▶︎「薬屋のひとりごと4巻」を読む

阿多妃が後宮を去る日、「阿多さま!」と叫び、泣きながら阿多妃の元へ駆け寄る里樹妃は裾をふんで転んでしまう・・。

周りのものは相変わらず、そんな幼い里樹妃を見て「クスクス」と嘲笑っている。

転んだ痛み、恥ずかしさ、そして何よりも自分の元から母親のような存在の阿多妃がいなくなることが寂しい里樹妃は涙を流しながらうずくまって動けなくなる・・。

阿多妃は、そっと里樹妃に近寄り、涙を流す里樹妃の左ほほに右手を添えて微笑みかける。

すると里樹妃は涙を流しながらも満面の笑顔に変わる。

ポテトポップ
この阿多妃が後宮を去るところは、薬屋のひとりごとの中で一番好きなシーン・・。最後の、阿多妃と里樹妃の笑顔がうるっときて仕方ない・・。

里樹妃が幼いながらも孤立したつらい立場にあり、あまつさえ命を狙われそうになったことがわかっているからこそ、阿多妃の優しさに感動してしまいます。

阿多妃が後宮に止まり続けた理由

潔い阿多妃が後宮に止まり続けた理由。それはまだ明確に語られたわけではないですが、「最愛の息子である壬氏の側にいたい」と思う親心がそうさせたのではないかと思います。

本来なら、子宮を失い子供を作れない体になった妃は、後宮の役割を果たすことはできません。

皇帝の幼馴染という関係で、上級妃であり続けることは、阿多妃としても望ましいことではなかったはずです。

阿多妃は「息子がこの手からいなくなってから」と話しているので、淑妃になる前の数年間はろくに壬氏と会うことすらできていなかったのでしょう。

そんな阿多妃が心置き無く、堂々とした姿で後宮を去る決意ができたのは、壬氏が園遊会で起きた毒入りスープ事件を解決するほどの立派な人物に育ったのを見届けることができたからなのかもしれません・・。

まとめ

以上、「薬屋のひとりごとの壬氏の正体」についてご紹介しました。

薬屋のひとりごとで、壬氏は超重要人物の一人でありながら、序盤ではその正体が明かされることはほとんどありません。

そして、壬氏の正体が明らかになってから、薬屋のひとりごとは飛躍的に面白さを増していきます!

というのも、壬氏は自分の本来の身分を快く思っておらず、皇位を継ぎたいなどとは全く思っていません。

だからこそ、皇帝にふさわしい后を紹介して、さっさと自分以外の誰かが皇位を継いで欲しいと考えています。

ちなみに、壬氏は猫猫以外の女性と結婚する気は無いと宣言しているので、万が一、壬氏が猫猫と結婚したら、猫猫は皇后ということに・・花街で育った薬屋が皇后になるだなんて、まさにシンデレラストーリーそのものです。

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